忠清北道の忠州市(チュンジュ市)と江原道の洪川郡(ホンチョン郡)で、最低でも30年、最大50年ほど使用可能とみられる『レアアース(希土類)』鉱脈が発見された。
この鉱脈を開発すれば、全量(年間約3000トン)を輸入に依存しているレアアースを国産化することができ、世界生産量の97%を独占する中国の影響力を低下させることができるものと期待されている。
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チャン・ホワン韓国地質資源研究院長は、大田市(テジョン市)大徳(テドク)団地で記者のインタビューに応じ、「昨年12月から今月の初めまでに、忠州と洪川で試料を採取して分析した結果、レアアースが0.6~0.65%混ざった2,360万トン規模の鉱脈を発見した」と明らかにした。使用可能なレアアースは約14万7500トンという。
チャン院長はまた「韓国では年間約3,000トンのレアアースを輸入している。今後の需要増加を考慮しても、最低でも30年以上は使える量が埋蔵されていると見ている」と語った。
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米国地質調査所によると、レアアース生産は中国が年間12万トン(2009年基準)で世界生産量の97%を占めている。昨年9月、中国と日本が尖角諸島を挟んで衝突した際、中国当局はレアアース輸出を禁止し日本に圧力をかけたが、半導体や二次電池など電子製品の必須材料であるレアアースはまさに『資源武器』と呼ぶことができる。最近レアアースの価格が3~10倍まで急激に上昇しているのも、市場を中国が独占しているためだ。これに伴い、オーストラリア・アメリカ・カナダなどでは、採算が取れず一旦閉山したレアアース鉱山を、2012から2014年にかけて再度開山する準備に入っているという。
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韓国も、昨年からレアアース確保のための事業を推進してきた。知識経済部と地質資源研救院は、『国内希少金属探査および活用技術開発』のためレアアースを含む希少金属の存在が推定される韓国内の11地域について、2010年6月から研究調査を実施している。その結果、忠州と洪川で経済性があると判断されるレアアース鉱脈を発見したものだ。
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レアアースが発見された忠北の忠州市、槐山郡、陰城郡(ウムソン郡)と江原道の洪川郡、斗村面(ドゥチョン面)一帯の地域の鉱業権は、韓国内鉱業会社と一部民間人が共同で所有している。鉱物開発にともなう利益は、土地所有者とは関係なく鉱業権所有者に帰属する。