人口5億人を抱える世界最大の経済圏・ヨーロッパ連合(EU)と韓国の自由貿易協定(FTA)が、7月1日0時に暫定発効する。
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通商交渉本部によると、韓国とEUはFTA暫定発効を控え各々すべての内部手続を完了し、発効のときを待つのみとなった。
ヨーロッパ27ケ国で構成されるEUは、2009年の国内総生産(GDP)が16兆4千億ドルと世界全体GDPの30%を占めるのみならず、いまや米国(14兆3千億ドル)をしのぐ世界最大の単一経済圏だ。また韓国との交易額は昨年922億ドルに達し、中国に次ぐ交易相手国でもある。
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まだ個別の会員国の批准手続が残っており、正式発効までにはさらに2年ほどの時間が必要だが、すべてのEU会員国の同意が必要な文化協力、知的財産権刑事執行分野を除く全体協定の99%が7月1日付で履行され、事実上の公式発効となる。
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韓-EU FTAが暫定発効すると、両者が品目別に合意した段階に従って無関税での輸出入が可能となり、貿易・投資・サービスなど経済各分野の交易において新たな転機を迎えることとなる。
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EU側は工産品全品目に対して5年以内に関税を撤廃し、このうち99%については3年以内に撤廃する。一方韓国側は、3年以内の関税撤廃品目が96%で、一部微妙な品目については関税撤廃期間を7年に設定した。
関心品目である乗用車は、両者とも排気量1,500ccを超える乗用車について3年以内、1,500cc以下は5年以内に関税を段階的に撤廃することにした。また、米については関税撤廃対象から除外された。
EUは平均関税率が5.3%と米国(3.5%)より高いだけでなく、韓国の主要な輸出品目である自動車(10%)、テレビなど映像機器(14%)、繊維・靴(最高12~17%)等の関税率が非常に高い。その分、FTAによる関税撤廃によって韓国輸出品は価格競争力を獲得することになる。
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韓-EU FTA暫定発効を目前に控え、業界の動きも慌ただしい。
国内1位のワイン輸入会社であるクムヨンインターナショナルは、FTA発効時点からワイン価格を平均11%値下げすることを決定。エス・テー・デュポンなど一部有名ブランドも価格引き下げに乗り出す構えだ。
現代自動車を筆頭とする自動車及び自動車部品業界、電子・電気業界などは、ヨーロッパ市場攻略態勢を強化している一方、英国などの大手法律事務所らも、韓国内法律市場攻略のためすでにソウルに事務所を構えるなど、慌ただしい動きを見せている。
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通商交渉本部キム・ヒサンFTA交渉総括課長は、「韓-EU FTAは、これまでのFTAとは異なり、90%の品目について5年以内に関税が撤廃されるとあって、経済・社会的効果が絶大なものになる」とし、「特に輸出に対する寄与度が高くなるものと予想され、経済各分野への肯定的影響が期待される」と語った。
通商交渉本部は、来月1日午前に庁舎にて駐韓EU大使、EU会員国大使、経済団体長などを招請し、韓-EU FTA発効記念レセプションを開く予定だ。
2011.6.28 連合ニュース