サムスンが、アップル社の次世代タブレットPC『iPad2(アイパッド2)』に液晶表示装置(LCD)パネルを供給する可能性が高いことが分かり、注目を集めている。
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業界関係者によると、サムスンは3~4月頃に発売予定のアイパッド2に自社の最新LCDパネルを供給する件に関して、アップル社と詰めの協議に入っていることが明らかになった。
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アップル社はこれまで、アイパッドにLGディスプレイと日本・台湾のメーカーからLCDの供給を受け使用してきた。
アップル社がアイパッド2発売を契機に主要パネル供給会社を変更する動きを見せている理由は、“単価”のためだという。
アップル社は特に、サムスンモバイルディスプレイ(SMD)が昨年11月に開発したと発表した『スーパーPLS(Plane to Line Switching)』方式のLCDパネルに高い関心を示しているとのことだ。
SMDは、スーパーPLS技術の適用によってLCD画面を横から見てもよく見える程度を表す側面視認性と透過率が大きく向上し、これをスマート機器に搭載する場合、視野角が100%改善され画質も10%向上すると発表している。
またSMDは、今年の初めからこの技術をもとにしたLCDを量産し、世界のプレミアムモバイル機器市場を攻略する計画と発表したこともあり、アップル社への納品を狙っているのではという憶測もあった。現在、関亜のプレミアムモバイル機器市場を主導しているのは、ほかでもないアップル社だからだ。
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業界関係者は、「たとえサムスンがギャラクシーSやギャラクシータブを前面に押し出しスマート機器市場で善戦しているとはいっても、アップル社の強大な市場支配力を無視できなかったということだ」とし、「アップル社への供給について、半導体はサムスンが多く供給しているが、ディスプレイについてはLGに軍配が上がる。アイパッド2のメインサプライヤーとして選定されれば、小さくない波及効果が期待できるだろう」とコメントした。
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これに関して、今年に入ってSMD天安事業所のセキュリティが大幅に強化されたということも注目を集めている。
以前は、顧客企業の役員など会社の主要VIP級が工場を訪問するときは、特にセキュリティチェックはなかったが、今年からはVIPに対しても例外なくセキュリティチェックがされている。
また、毎日出勤する役職員らも、昨年までは社員証を忘れた場合は住民登録証など身分証と引き換えに臨時社員証を発行してもらえば出入ができたが、今年からは社員証がなければ完全に出入禁止になった。
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サムスン関係者は、「規定上、主要部品を供給する会社に関する情報は確認することができないことになっている。アップル社についても同じだ」とコメントしている。
2011.2.9 連合ニュース