現代重工業は、今回の旧正月連休中に、ミン・ゲシク会長がサウジアラビアとカタールにある現地拠点を訪問する予定と発表した。
ミン会長は2006年以降一度も欠かすことなく、旧正月と旧盆、夏期休暇の際には海外拠点を訪問している。現地の職員を励まし、工事の進行状況の点検もしつつ発注先の要人とも顔を合わせる、という“現場経営”を展開しているのだ。
ミン会長の組織管理に対する考えや、休暇に対する独特のとらえ方がよく分かる。
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現場経営のスタイルを見れば、最高経営者(CEO)の経営哲学や個性がよく分かる。他の主要大企業の会長らはどうだろうか?
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イ・ゴンヒ サムスン電子会長は、「うちの会社は会長に一度も訪問されたことがない」と悔しがる系列会社があるほど、他の総帥と比べて系列会社の訪問が少ない。社長に権限と責任を与えるサムスングループの“責任経営”文化のため、という分析もあるが、サムスングループ会長ではなくサムスン電子の会長であるため、系列会社の訪問を負担に感じているという見方もある。
経営復帰後、以前よりも対外活動が増えているが、系列会社を訪問し管理することよりも、世界家電展示会など未来のビジョンを得ることができる場所を訪れているという印象。系列会社訪問時も、経営陣らに具体的なことをいちいち指示するよりは、大まかな構想を投げるスタイルという評価だ。
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チョン・モンク現代自動車グループ会長は“現場監督型”だ。国内外の事業所をしばしば訪問し、時には予告なしで訪れることもある。
現場では生産ラインと製品を几帳面に見て回る。現場で激しい叱責がなされる場合もある。昨年就任しまだ半年も経っていなかった現代車アメリカのアラバマ工場長が、チョン会長訪問直後に更迭された件については、「会長の現場訪問にうまく対応できずに更迭された」という噂もある。チョン会長自身も、今年の新年の挨拶で「海外工場まで行って私が直接会ってみたら、もう明らかに不合格だった」とも話している。
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事業所の“不意打ち訪問”を頻繁に行うといえば、LGグループのグ・ボンム会長もそうだ。しかしグ会長の場合は、「自分の出迎えのために無駄な時間を使うな」という会長の意向でそうしている、というのがLGグループ側の説明だ。
同行する人数も必ず必要崔天元の1~2名に限っており、現場が混乱しないような形で訪問する“配慮型”といえる。
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他の総帥らと比べて年齢が若いチェ・テウォン SKグループ会長は“スキンシップ型”。
国内のみならず海外拠点を訪問する際も可能な限り多くの部署を回り、短い時間でも現場の職員と対話をするというスタイルだ。
昨年12月31日には、SKソリーン社屋の5階から33階まで、すべての部屋を回り、2000名を越える職員らと握手をしながら「御苦労さま」「来年も元気に頑張ろう」などと声をかけた。
チェ会長は、普段から職員との垣根のない討論を楽しんでおり、テニスなどの運動で職員と一緒に汗を流すこともある。
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“経営専門家”であるチョン・ジュンヤン ポスコ会長は、系列会社よりは顧客や協力会社をよく訪れるという。
昨年9月9日には、始華工業団地にある二次協力会社・ハナ金属の生産現場を訪問し、感謝の言葉を述べながら問題点がないか尋ねていた。一週間後の9月16日には、光陽・順天地域産業団地に向かって二~四次協力会社から意見を聞いて回った。
ポスコ側は、「チョン会長の経営哲学のうちのひとつが、傾聴を核心的キーワードとする『開かれた経営』です」と説明している。
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2011.2.2東亜日報