7月1日から、アイスクリーム・ラーメン・お菓子・アイスクリーム・衣類全品目から『推奨消費者価格』が消える。これらの品目に対して、“オープンプライス”制度が施行されるためだ。
オープンプライス制度とは、製造業者が商品に『推奨消費者価格』または『推奨販売価格』を設定することができず、代わりにスーパーのような最終販売者が商品価格を決定する制度だ。
昨年7月、知識経済部がこの制度の適用対象となる品目を追加指定した後、1年の準備期間をおいたため、大きな混乱はないものと予想される。
推奨消費者価格の表示がなくなるため、消費者は流通業者別に価格差がどれくらいなのか、さらに几帳面にチェックしなければならなくなるかもしれない。
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◆ 流通・製造業者のパワーゲーム本格化
オープンプライス制度は、1999年に家電製品と衣類に対して初めて導入された。製造業者が推奨消費者価格を高く設定した後大幅に割引して販売する、といった、消費者に対するごまかしを防ぐためだった。
2000年に対象品目が22個に、2004年に32個まで拡大したのに続き、今回は279ケ品目まで大幅に増やされた。
衣類は男性用コート(8種)、女性用コート(41種)、セーター・シャツ(14種)、子供服(16種)、下着(38種)、ファウンデーション(36種)等全品目に拡大した。これまで“半額割引”が問題にされてきたアイスクリーム・ラーメン・菓子類も含まれた。
オープンプライス制導入により、流通業者と製造業者間において、価格主導権を巡る神経戦が激化するものとみられる。農心(食品製造)関係者は「すでに順次的に出庫製品に表示された価格表示を消すなど準備してきたなので、大きな混乱はない」としながらも、「流通業者の力がより一層強化されるのでは」と語った。一方、流通業者らは、製造業者の価格統制権が減退したと施行を喜んでいる。
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◆中小業者は泣き顔
アイスクリーム“半額セール”を大々的に広告し顧客を集めていた町のスーパーなどは泣き顔だ。推奨消費者価格表示がなくなることで、“半額”という広告も出せなくなったためだ。
イム・韓国スーパーマーケット協同組合連合会対外協力団長は、「価格交渉力のある大型マートが安値で商品を買い入れ安く売るようになり、零細企業の競争力は一層弱まるだろう」と語った。バーコード認識装置を持っていない中小スーパーは、商品にいちいち値札を付けなければならないという負担も負わなければならない。
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◆単位価格を必ず確認
理論的には、オープンプライス制導入で流通業者が価格競争を繰り広げれば、消費者はより安く製品を購入できるようになる。
だが流通業者が束商品、1+1商品など多様な販促によって本来の価格を分からないようにする場合が多く、これをいちいち確認しなければならなくなるとみられる。
消費者院消費者情報チームの李チーム長は、「今回オープンプライス制を施行する加工食品類4品目をはじめとして80品目に対しては、法的には単位当たり価格を表示しなければならないことになっているので、必ずそれを確認してほしい」と訴えている。
メーカーが新商品を発売する際、一切の価格情報を提供できなくなり、消費者が価格を把握しづらいというデメリットも予想される。韓国消費者院が提供する生活必需品情報など多様な価格比較手段を動員し、どこが安いのかをチェックしなければならないということになりそうだ。
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2010.7.1 中央日報