今年の韓国経済は、急速な回復によって6%台の成長が可能な見込みだ。
企画財政部によると、最近韓国政府は下半期経済政策方向で今年の経済成長率を昨年同期比5.8%と予測したが、内部的には6%前半まで可能なものと推定している。今年5.8%成長という展望は、今年1分期と2分期に各々8.1%と6.3%、下半期に4.5%成長するという前提に立っている。しかし政府は、南ヨーロッパ財政危機の中でも本格的な景気回復の動きが継続しており、下半期に5%前後成長して年間で6%台の成長が可能なものと予想している。
l
財政部関係者は、「対外変化要素が現在と同じと仮定すれば、今年韓国経済の成長率は6%を楽に超えるだろう」とし「下半期経済政策方向で発表した5.8%が他の機関の展望より高いというが、政府としては控えめに設定した数値」と話した。
もし今年韓国経済が6%台で成長すると、2002年の7.2%以降8年ぶりに最大幅の実質国内総生産(GDP)増加率を記録することになる。韓国経済成長率は通貨危機を体験した1998年に▲5.7%まで急落した後、1999年10.7%、2000年8.8%、2001年4.0%、2002年7.2%と安定しかけたところでクレジットカード危機が発生、2003年2.8%に落ち込んだ。
以降、2004年4.6%、2005年4.0%、2006年5.2%、2007年5.1%と4~5%の成長率を持続していたところで世界金融危機が発生、2008年2.3%、2009年は0.2%まで落ち込んでいる。
l
政府が6%台まで念頭に置いているのは、輸出が予想よりも好調なうえ、民間消費や設備投資、雇用が息を吹き返す兆しが明確なためだ。
今年の韓国の輸入と輸出はどちらも昨年比20%以上も増加する見込みで、年間貿易黒字もまた当初目標の200億ドルに近接するものとみられる。5月までの輸出は昨年同期比36.0%増の1千803億ドル、輸入は40.7%増の1千648億ドルで、貿易収支は119億ドルの黒字を記録した。
民間消費は、本格的な景気回復で旅行・宿泊需要が増加しているうえ、ワールドカップサッカー特需も重なり、当初予想の4.6%増よりも増えるものとみられ、輸出増加傾向に伴って設備投資もまた15%以上増える可能性が大きい。
就業者数もまた昨年の7万名減少の不振から回復し今年30万名以上にものと予想され、経済成長の追い風になるものとみられる。
l
しかし、今年下半期に南ヨーロッパ財政危機に続くグローバル危機が発生し、国内金融市場が動揺し原油など原資材価格が暴騰すれば、韓国経済の6%成長率達成が難しくなる可能性もなくはない。
2010.6.30 連合ニュース