東国製鋼が推進しているブラジル製鉄所建設への参画について、ポスコの苦悩が続いている。それほど実益がないという悩みを抱えながら、世界最大鉄鋼会社のヴァーレ(Vale)社との原料調達での協力などを考慮して最終的な参画可否を議論中だ。一方、東国製鋼側はポスコ参画の可能性が大きいとみている。
9日ポスコや業界筋によると、ポスコは最近東国製鋼が推進しているブラジル一貫製鉄所建設プロジェクトに対する事業性分析を完了した。ポスコは、投資利益率が大きくないという分析結果について悩んでいるようだ。
チェ・ジョンテ ポスコ社長も、同日ソウルロッテホテルで開催された全国経済人連合会経済政策委員会の朝食会後、記者らの取材に対して「実益が大きくないとみられる」とし、「東国製鋼とヴァーレ間でなされることであって、ポスコは主導する意思がない」と語った。
また、「TKS(ドイツの鉄鋼会社)社などはブラジルで大変苦労しているようだ」とし、「ブラジルでの製鉄所建設事業は、よい条件が整っているとはいえない」として否定的な立場を表明した。一方でチェ社長は「ただし、ヴァーレ社とは鉄鉱石原料の供給を受けている関係もあり、様々な事柄を考慮して議論している」と付け加えた。
ポスコでは社内的にも意見が拮抗していて、関連部署の役員が全員集合して討論を繰り広げ、意見調整をしていると報じられている。
チョン・ジュンヤン ポスコ会長も、先月末マネートゥデイ記者の取材に対して、東国製鋼のブラジル一貫製鉄所建設プロジェクトに投資するためには「(事業性以外の)インセンティブが必要だ」という見解を示している。
一方、チャン・セジュ 東国製鋼会長は、ポスコの参加の可能性に対して「肯定的」との見解を明らかにした。チャン会長は同日、ソウルのポスコセンターで開催された「第11回鉄の日」記念行事に参加し、記者に対して「(持分参与)規模の問題と見る」としながら「2週間以内に結論が出るだろう」とコメントし、ブラジル製鉄所建設プロジェクトに対するポスコの参加を既成事実化した。日本JFE社の参画については、「ポスコの投資決定に優先順位があるので、JFEの参画決定は少し遅れるだろう」と付け加えた。
これに関して、知識経済部関係者は「東国製鋼が長期間にわたって準備してきたうえ、ポスコの参加が必ず必要なプロジェクトであるため、結局ポスコは参加せざるを得ないのでは」と語った。
2010.6.10 マネートゥデイ