サムスンとゼネラル・エレクトリック(GE)が、スマートグリッド分野で手を組む。
GEとサムスンは、スマートグリッド技術研究及び事業開発協力を前提に“パイロットプロジェクト”を稼動した。
GEの高位関係者は、「GEはサムスンのスマートグリッド関連技術に対して非常に関心が高い」とし、「お互いに成長できる可能性が高い協力領域を発見した」とコメントした。
先日韓国を訪問したGE役員団は、サムスン電子関係者と面会し、具体的協力方案を議論したと報じられている。
サムスンは、まだスマートグリッド事業を前面に押し出してはいない。しかし、昨年9月にサムスン電子が韓国スマートグリッド協会会員社に加入したため、業界ではサムスンがスマートグリッド市場に本格的に進出するのではないかという観測が多かった。現在協会には、サムスン電子とサムスン電機、サムスンSDIが加入している。
サムスンは、政府が済州市に造成している“スマートグリッド実証団地”事業にも、KT、SKテレコムのコンソーシアムパートナーとして参加している。
2013年構築を目標に造成されているこの実証団地には、サムスン電子(スマート家電製品供給)、サムスンSDI(エネルギー貯蔵装置供給)、サムスンSDS(管制網構築)、サムスン物産(建設)等、様々なサムスン系列会社が参加しており、それぞれ関連技術開発を担当している。
団地関係者は、「スマートグリッド分野の非常に大きな課題のひとつは『家電のスマート化』だ」とし、「サムスン電子がこの分野に関する技術開発を担っている」と説明した。スマートグリッド実現のためには、照明、エアコン、テレビなど家電製品が電力の需要供給状況によって電力使用の最適化ができるほど“賢く”なければならないが、現在の家電にはこのような製品はない。
同関係者は、「当面はコンセントの先に別途の“脳(チップ)”を植え込み、電力状況を認知しているが、究極的には製品自体がこれを感知して処理できるようにすることが目標」とコメントした。
電子業界は、GEが家電、照明、電力網構築、エネルギーなど多様な関連事業を運営しているだけに、両社がスマートグリッド分野で協力する場合“ウィン・ウィン効果”が相当なことと見ている。
GEはすでに数年前からスマートグリッド技術の確保に注力しており、米国だけでなくヨーロッパなど他の地域でもスマートグリッド適用のための事業を進めている。
サムスンも、GEとの協力を通じて技術水準の高度化を試みる一方、世界最大のスマートグリッド市場である米国市場進出にも有利な地盤を固められるものと期待している。
また政府も、スマートグリッド技術を半導体やITに続く韓国を代表する産業に育成する計画だ。
知識経済部(経済産業省に相当)関係者は、「エネルギー枯渇と環境問題が世界的な関心を集める中、スマートグリッドに注目する国家が増加している」とし、「2014年にはスマートグリッド世界市場規模が189兆ウォンに達する見込み」とコメントした。
東亜日報 2010.5.20