サムスン電子が、半導体や液晶表示装置(LCD)等に今年26兆ウォンを投資すると17日明らかにした。年間ベースでは過去最大規模だ。
これに先立ち、11日にサムスングループは2020年までに新事業23兆3000億ウォンを投資すると発表している。
当時の発表がサムスンの『未来』に対する青写真だとすると、今回の投資計画は世界トップをひた走るサムスンの『現在』をより一層確固たるものにするための布石と分析できる。
この日サムスン電子は、京畿道・華城キャンパスで、李健煕会長が参加する中、非公開でメモリ導体16ラインの起工式を開催し、半導体(11兆ウォン)、LCD(5兆ウォン)関連設備に合計16兆ウォン、研究開発(R&D)に8兆ウォンを投資する今年の投資計画を発表した。
携帯電話やテレビなどに対する設備投資2兆ウォンを合わせると、投資金額は合計26兆ウォンに達する。
同時に、サムスン電子は今年半導体部門で3000人、LCD部門で4000人など合計1万人を新規採用するという計画も発表した。
李会長は起工式において、「現在世界経済が不確実で経営条件の変化も激しいものと予想されるが、このような時期に投資をさらに増やし、人材もさらに多く抜擢して、グローバル事業のチャンスを先行獲得することが、グループにとっても韓国経済にとっても成長のチャンスを意味する」と話したとサムスン電子は伝えた。
サムスン電子関係者は、「果敢に投資拡大を決定した理由は、今年に入ってグローバルIT景気が好調で、積極的な投資で市場の主導権を強化するためだ」と説明した。
まず、サムスン電子はメモリ半導体設備に対する投資を当初計画した5兆5000億ウォンから9兆ウォン台まで増やす。
次世代メモリ製品生産のための16ライン建設や、30ナノ級DRAM量産のための15ライン増設に投入される費用だ。
起工式が開催された16ラインには、完工まで段階的に合計12兆ウォンが投資され、2011年から本格的に稼動、12インチウェハーを月20万枚以上生産する予定だ。
これを通じて、サムスン電子はメモリ半導体分野でのトップの座を確実なものとし、本年末までに30ナノ級DRAMの生産比率を10%以上増やし、低電力・高性能DRAM市場の需要拡大に対応していく計画だ。
また、システムLSI部門にも2兆ウォンを投資することとした。
LCD分野では、2011年以後大型LCDテレビ用パネル需要増加に備えて、合計2兆5000億ウォンを投資し、基板ベースで月7万枚規模の8世代LCD新規ラインを忠南、牙山市の事業場に建設する。
これに伴い、サムスン電子は合計4個の8世代ラインを確保することとなり、LCD部門の今年投資規模は5兆ウォンまで拡大する。
サムスン電子の子会社であるサムスンモバイルディスプレーも、同ディスプレー団地に2012年までに合計2兆5000億ウォンを投入し、世界最大規模の有機発光ダイオード(AMOLED)製造ラインを建設する計画だ。
サムスン電子内外では、李会長が復帰後初めての現場訪問を半導体ライン起工式に定めたことは、現在不同のトップを維持している半導体にさらに力を入れようとしているためだと解釈している。
サムスン電子関係者は、「半導体景気がいつ冷え込むかも知れないという危機感があるにもかかわらず果敢な投資を決定したことは、三星が初めて半導体事業に進出した当時を思い出させる」と話した。
サムスン電子の半導体新規ライン建設は、2005年15ライン以後5年ぶりであり、李会長が華城キャンパスを訪問したのは2004年12月以後5年ぶりだ。
李会長は24日、日本ソニーのハワード・ストリング会長と面会し協力関係について議論するなど、活発な活動を継続する予定だ。
東亜日報 2010.5.18